お別れ

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 ほんとうに突然なのですが、チョコロは今日の早朝に、天国へ行ってしまいました。

 はっきりとした死因はまだわかりませんが、先週土曜日に尿道に結石が詰まり、日曜の朝手術をして経過はよかったようなのですが、年齢もあっておそらく心臓が耐えられなかったのではないかと思います。以下その経過です。

 チョコロは若い頃結石ができてオシッコが出なくなって苦しみ、獣医さんに駆け込んだことが何度もあります。再三苦しむ姿を見てきたので、8年くらい前に尿道を縮める手術をして、それ以来ぴたっと問題は生じなくなりました。その後も結石予防のための特別な餌は続けていたのですが、獣医さんから、年を取ると体質が変わって石ができにくくなるので、もはや不要だと言われたので、近年は通常の餌にしていました。

 マウントアイザの獣医さんで、いろいろ健康チェックをしてもらってX線も撮ったので、膀胱に結石がいくつも入っていることが判明しました。東海岸の大きな町に行ったときにでも膀胱切開で取った方がいいかもしれないとは言われたのですが、高齢のチョコロが海外で手術を受けるのも不安で、たぶん古い石なので帰国するまで延ばせるものなら延ばしたいと思っていました。

 3月24日、やっと涼しくなったのでマクラレンヴェールを出発して、お昼過ぎにポートピリーへ着きました。ポートピリーでしばらくは、普通に餌を食べ水を飲んでいたのに、夕方トイレに入って妙なうなり声をあげたかと思うと、そのまましばらく静止してしまいました。ポートピリーの動物病院の緊急連絡先、獣医のテイラー先生の携帯電話にかけて、病院に来てもらいました。

 この日の朝は、ちゃんとオシッコをしていたので、この時点では膀胱には特に尿は溜まっていなくて、膀胱が細菌に感染して痛むのだろうということで、痛み止めと抗生物質を処方されただけでした。入院すれば、明日の朝日曜日ではあるけど先生が来て、夜の間にしたオシッコの検査をしてくれるということで、急遽入院させてきました。

 翌朝7時に、先生から「今来られるか」と電話がありました。夜の間にオシッコはしていなかった、つまり結石がつっかえてしまったのです。行ってみると、既に元気が無く、血尿がポタポタもれていたので、詰まった石を膀胱に押し出して溜まったオシッコをカテーテルで出すのは、至急行う必要があります。ここまではかつて何度もやってきました。

 先生の意見では、その後膀胱を切開して石を取り除いた方がいいということでした。ただし、これは時間がかかる可能性もあり、14歳の猫には危険もあるとのこと。非常に難しい決断を緊急に迫られることとなり、先生は公平に、手術の危険性と手術しなかったときの危険性をわかりやすく示してくれたとは思いますが、膀胱切開をすすめる姿勢だったこともあって、お任せすることにしてしまいました。

 すぐに手術。お昼頃病院に呼ばれたときは、まだ麻酔がきいていたけど、手術はうまくいったようで、猫の体から考えると大きな石が10個も摘出されていました。夕方もう一度見に行ったら、既に麻酔から覚めていて、だいぶ安心しました。翌26日月曜日の朝は、エリザベスカラーをつけていて顔が掻けないのに掻こうとしたり、夕方には点滴されている脚をうるさそうにふったり、診察台から飛び降りそうな気配さえ見えました。

 27日火曜日の朝、昨日よりちょっと元気がないように見え、先生も気にしていて、膀胱が結石で傷ついているし縫ったので、その後が心配だということでした。この病院には超音波エコーの施設がないので、アデレードの大きな動物病院へ行くようにすすめられました。

 午後急遽アデレードにチョコロを連れて行き、紹介してもらった病院に一晩入院させて超音波エコーを始めX線を撮ったりして検査してもらいました。結果、膀胱は良好、テイラー先生の腕は確かでした。その夜はちゃんと自力で2回オシッコも出たようです。われわれは近くに泊まることとしました。

 真夜中に携帯電話が鳴って、チョコロが突然呼吸が苦しそうになったので、看護士の方が酸素吸入をしているといわれました。その後落ち着いたので、1時頃看護士の方は帰宅、朝われわれには電話をくれるとのことです。

 そして翌朝8時半頃、私たちにとって最悪の電話がかかってきました。7時に看護士が出勤してきたときには亡くなっていて、多分早朝に亡くなったとのことでした。

 昨日ポートピリーで午前中は元気なく見えたものの、餌は食べたし、アデレードに着いたときは目が覚めてきたのか、点滴の脚を振り回したりしていたので、心配しなくて大丈夫だろうと思ったのですが、あまりにも突然のことでした。昨日、チョコロとの最後のドライブになってしまったアデレードまでの3時間の道のりはとても短く感じたのですが、今日のアデレードからの3時間は、とてつもなく長い道のりでした。キャラバンに帰ってからも、何を見てもチョコロのことを思い出して、まだ気持ちの整理が付いていません。

 昨日アデレードに連れて行くかどうかの判断、日曜の朝手術をするかどうかの判断、あるいは、土曜日の朝、マクラレンヴェールを出発するかどうかの判断、さかのぼれば、オーストラリアに連れてくるかどうかの判断など、その時点ではチョコロのためによかれと思ったことが、今振り返って見れば、まずかったわけで、「チョコロごめんね」と伝えたいです。

 チョコロは検視の後、焼いてもらって遺灰になって帰ってきます。これからの約2ヶ月ちょっとは、遺灰になったチョコロと一緒に、オーストラリアの旅を続けることになります。今までブログを読んで頂いた皆様、ありがとうございました。

この記事へのコメント

アライグマ
2007年03月28日 23:22
えーーーーー
(TヘT;)チョコロのご冥福をお祈りします。
猫屋敷
2007年03月28日 23:59
もし、日本に置いてきたら、それもやっぱり悔いが残る。
一緒に旅行できて良かったんですよ。
ね、チョコロ。
もこまま
2007年03月29日 07:05
チョコロちゃんのご冥福を、お祈りいたします。
aya
2007年03月29日 12:38
はじめまして。
私も来年オーストラリアに行くのに猫を連れて行くかどうかでかなり悩んでいたのですが、OZ庵さんやこちらのブログを拝見して、やはり連れて行こうと決断しました。
きっとチョコロちゃんはずっとご主人たちと一緒にいられて幸せだったと思います。普通の飼い猫(もしくはペットだけじゃなく人間同士でさえ)だって、家族と一緒に過ごす時間は一日の半分にも満たないと思います。
最後の時間をたくさん家族と過ごせたことは、きっと素晴らしい事だったと思います!
2007年03月29日 16:34
チョコロちゃんのご冥福をお祈り致します
オーストラリからのお便りは楽しく拝見しておりました
もう、見られないのかと思うと悲しいです・・・・
千の風になって、みんなを見守っていて下さい
都鳥
2007年03月29日 20:47
私もチョコロはオオコウモリさん達と一緒に旅が出来て本当に喜んでると思います。キャラバンでオーストラリア旅行をしながらブログを書いてる猫は、チョコロだけでしょう。これからもお二人と天国の猫一匹で、楽しいオーストラリア旅行を続けてくれることを願っています。またチョコロが一番それを願ってると思います。
クロナマコ
2007年03月29日 20:47
チョコロ、楽しいブログをありがとう。
これからも、ご主人さまと旅を続けるんだよ!!
押しかけネコのギャートラ(代筆・玄珠)
2007年03月31日 13:30
心よりご冥福をお祈りいたします。
幸せな生涯だったと信じております。
アブラ
2007年04月01日 19:00
大学院でアブラコウモリの研究をしている学生です。
(こんな学生は一人しかいないと思いますが…おわかりになります?)
ここでは仮に「アブラ」と名乗らせていただきますね。
大沢さんのオーストラリア旅行記ブログも楽しく拝見させていただいて
おりますが、こちらのチョコロのブログも毎日楽しみにしていました。
チョコロには一度も会ったことがないので、オーストラリアから帰ったら
是非旅行の感想を聞きに伺いたいと、思っていたところ、本当に残念です。
チョコロはお二人に愛されてきっと幸せだったのだと思います。
チョコロのご冥福をお祈りいたします。
大沢夕志 大沢啓子
2007年04月05日 23:21
コメントをくださった皆さん、ありがとうございます。

チョコロは、14年以上我々と一緒だったとはいえ、共働きで休日もあちこち出かけていたので、ずっと朝と夜だけのつきあいでした。

一人で過ごすのに馴れたチョコロには嬉しかったどうかはわかりませんが、昨年3月に退職してからは、ほんとうに毎日チョコロとたっぷり過ごすことができました。特にオーストラリア旅行は、すべてがチョコロを中心にまわっていました。

たくさんの思い出をつくることができましたが、あまりにも毎日密着して過ごしていたので、チョコロがいないという状態になれるのには時間がかかりそうです。改めてその存在の大きさ(物理的にも精神的にも)をかみしめています。

今度の日曜日には、死因の報告と、遺灰を受け取ることになっています。(オーストラリアは今、イースター休暇の最中のため、もう少し先になるかもしれませんが・・・)

その後、我々は西に向かって再出発します。残り2ヶ月ですが、軽くなってしまったチョコロと一緒に旅を続けますので、これからもよろしくお願いします。
アライグマ
2007年04月08日 22:34
14年ですか(-_-メ)
生まれた子供が中学2年生ですね。
無理に忘れることはないですよね。( ̄д ̄)ノ
ゆっくりとした時間を過ごしてきてください。
m(_ _)m
oz-an
2007年04月08日 23:09
余りにも、突然のことで、悲しい気持ちで涙が止まりません。
オーストラリアへ行った先輩猫ちゃんとして、
勝手ですが親近感を抱いて、そしていつかお会いできたらと思ってました。
本当に残念でしかたがありません。
ブログを通じてからも、チョコロちゃんの
楽しそうで生き生きとした姿、しっかり伝わってきて、
チョコロちゃんは、お二人に出会い一緒に過ごせて
幸せだったにちがいありません。
心からご冥福をお祈りします。
残りの旅、影ながら見守らせていただきます。
大沢夕志 大沢啓子
2007年04月29日 01:28
コメントありがとうございました。

チョコロが亡くなって1ヶ月が過ぎました。

検死の結果、チョコロは心臓の壁が肥大していたことがわかりました。そういう状態だと手術のような大きなストレスがかかったとき突然心臓が停止してしまうことがあるそうです。知っていたら絶対に手術など受けさせなかったのに。

オーストラリアに来る直前も、来てからも獣医さんにかかったことはあるのに、一度も指摘されたことはなく、青天の霹靂でした。ただ今回の担当獣医リンダさんによれば、心臓肥大は病状が進んでもなにも症状が出ないことも多いし、心音も異常ないこともあるそうです。

まだ何かにつけチョコロのことを思い出してしまいます。ナロギンのキャラバンパークの庭で、2匹の子猫が飼われているのを見たときは、チョコロと対面させたらどう反応しただろうと思いました。

チョコロの都合で進んでいた旅は、突然つっかい棒がはずれ、旅の方は猛スピードで進んでいます。この一ヶ月で既にオーストラリアを四分の一くらいまわってしまいました。

もう旅行は最終段階、もうすぐ日本だよチョコロ。
つヴ
2008年04月25日 09:17
はじめまして。
一年経った今、このブログにたどり着きました。
チョコロちゃんの事、偉かったねと褒めてあげたいです。
14年と10ヶ月ご苦労様。
そしてご主人達と一緒に過ごせて良かったねと。。。
正直胸が熱くなる思いでいっぱいです。。。

今、アメリカからコメントさせてもらっています。
実は今年中にも主人の仕事の関係でオーストラリアへ引っ越す可能性があります。
そして家にも13歳のオス黒猫君がいて(チョコロちゃんに似ています。。)実は彼は糖尿病&高血圧、まけに心臓も普通の猫よりも大きめだと言われました。
今、とても迷っています。
この子を一緒に連れて行っても大丈夫なのかなと。。。
家の猫はチョコロちゃんみたいに異国の地でそれも30日間飼い主と離れ離れで大丈夫だろうかと。。
人見知りの激しい猫で怖がりでお家猫で。。。
経験者の大沢さん御夫婦にアドバイス願えたらと思っています。
チョコロちゃんのブログを読んでいてコメントせずにはいられませんでした。
今はチョコロちゃん、お空からお2人の旅を拝見している事でしょう!
大沢
2008年04月27日 13:25
つヴさま
コメントありがとうございます。チョコロが死んで1年以上がたち、新しいネコも飼い始めて、それでもいまだにチョコロのことは忘れられません。新しいネコをついチョコロと呼んでしまったりします。
さて、おたずねの件ですが、まず、アメリカから直接オーストラリアに連れて行く場合は、日本から連れて行くよりもさらに検疫は厳しいようです。30日間の検疫ですむかどうかは、オーストラリアの検疫局AQISに直接問い合わせる必要があります。また、もし、日本経由の場合は、日本で6ヶ月以上飼育しないと、日本からの持ち込み扱い(30日の検疫)にはならないようです。
このほか、気をつけた方がいいことが、2つあります。
まず、オーストラリアの検疫所が、私たちがチョコロを連れて行った頃と違って、かなり混雑しているようで、だいぶ前から予約をしないと、希望の期間に検疫所に入れないようです。飛行機の予約よりも先に、検疫所の予約をする必要があります。 つづく
大沢
2008年04月27日 13:27
つづき もう一つ、検疫期間を過ごす場所が、オーストラリアには、シドニー、メルボルン、パースの3カ所しかありません。私たちは、シドニーの様子しかわかりませんが、半分屋外といった感じのゲージなので、これまで、室内で飼育していた場合は、できるだけ季候のいい時期にした方がいいと思います。私たちは、6月下旬から30日預けましたが、かなり寒く、小屋の中にヒーターはあったのですが、その小屋が2階部分にあって、チョコロは最初自力では2階に登ず、どうも一晩寒い床の上で過ごしたようです。シドニーの夏の暑さがどれくらいかわかりませんが、メルボルンはかなり暑いですし、パースもこの夏はかなり暑かったようです。3カ所とも、夏冬は避けた方がいいと思います。 つづく
大沢
2008年04月27日 13:29
つづき 私たちには、こんな技術的なアドバイスしかできません。ただ、私たちがチョコロを連れていかなかったとしても、やはり後悔したと思います。物理的に可能であれば、やはりできるだけいっしょに過ごせる状況を作った方がいいんではないかと思います。
また、何かありましたら、直接メールをいただいてもかまいませんので、ご遠慮なくおたずねください。(メールアドレスは、私どものオオコウモリ関係のHPに書いてあります)
つヴ
2008年04月28日 04:25
大沢様、
アドバイス読ませて頂きました。
一年経った今でもこうしてコメントを読んで頂いて、お返事が頂けてとても嬉しく思っております。
いろいろ調べてはいるのですが、やっぱり海外よりオーストラリアへ猫ちゃんを連れて行かれた方に聞くのが一番かと思いコメントさせて頂きました。
とても為になります。
家の猫はとてもストレスが溜まりやすく、外では絶対に食べたり飲んだりをしない子なんで。。。特に気になります。
病気もあるし、歳も微妙な歳なので、焦りと心配でどうしていいのか分からないのが現実でもあります。
主人の仕事が確実に決まり次第オーストラリアに問い合わせるつもりです。
これも何かの縁と思っております(勝手にすみません。。。)、お言葉に甘えて直接メールさせて頂くかもしれません。
これからも宜しくお願い致します。
HANABATAKE
2011年09月14日 09:05
初めてコメントさせて頂きます。
シナボンちゃんの次かと思ったら最初だったんですね。
チョコロちゃん、凄い度をしてたんだ、感心!
14歳10カ月の何年を一緒に居たのかは分からないけど、
きっと空の上でシナボンちゃんと一緒に元気に遊び回っているんじゃないかと勝手に思ってます。
心臓肥大って、猫ちゃんにもあるんですね。旦那の父が同じ病気で旦那が20の頃に亡くなったそうです。
今、物凄いペットブームですけど獣医の数が追いついてないですよね!
流石はオーストラリアだと思います。動物に対しても真摯に向き合ってる。
ミニボンちゃんも良い人に飼われて幸せです。
どうしても一言言いたくて、コメントさせて頂きました。
これからまた寄らせて頂きますね!
大沢
2011年09月14日 23:19
チョコロは生まれて半年くらいから飼い始めたので、14年以上いっしょにいたことになります。とてもおとなしく、シナボンを飼い始めて、同じアメショーでもこんなに性格が違うのかと驚きました。新しいミニボンは、どっちかというとシナボン似です。そのうちミニボンのブログも始めますので、そちらもよろしくお願いします。

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